win-win

amazonが発表した従業員のキャリアアッププログラムはwin-winの典型例だろう。

会社が従業員に新たなビジネススキルを身につけることを経済的にサポートするプログラムだ。

たとえば、看護士の資格を取るために学校の授業料の一部を負担するのだ。年間最大2000ドルという制限もあるが、「転職を促す」ために補助するというのは、終身雇用が一般的な日本の企業では珍しいことである。

米国は、労働流動性が高いという事情あってのことだが、転職を推奨するのにお金まで付けることが、企業に取って経済合理的なのだろうか、と考える向きもあろう。せっかくOJTで育てた人材を簡単に手放すのでは元が取れないのではないか。

amazonの従業員(associates)にもいろいろな職種があるだろうが、コールセンターや発送センターで働くことを考えてみる。電話対応業務は会社とお客様の接点でもあり、高いスキルが要求されるとはいえ、全員がスーパーバイザーのスキルを持つような組織体制では人件費の負担が高くなり、商品の販売価格の競争力を下げてしまうだろう。発送センターも同様に、ロジのスペシャリストばかりでは「船頭多くして、・・・」となり、人件費が高騰するばかりか、現実には汗をかく労働者がいないと正確で迅速なamazonのデリバリーシステムは成り立たない。

つまり、企業の中のある職種については、あまり高くないスキルと労働コストがふさわしく、それらの職種の人材は特に流動性を高めて新しい人を入れ、高スキルの人を出していく必要がある。そうしないと、人件費ばかりが膨らんでしまう。転職のためのスキルアップに経済的な補助をして、人材の流動性を高め、人件費を抑制したほうが、企業としても経済合理的だというわけだ。

これは、amazonで働こうという人にとっても魅力である。「今は、特別なスキルはないが、5年くらいamazonの配送センターで働き、その間に、会計士の資格をとって、いずれ会計事務所に転職する」といったキャリアデザインが描けるのだ。amazonにとっても、そうした前向きな人が集まるとさらに好ましい。

日本は終身雇用を前提として労働流動性が低いが、労働市場が今そうであったとしても、こうした施策ひとつで、自らの雇用者の流動性を高めることもできることが分かる。

企業にとっても従業員にとっても好ましい好循環を自ら作り出すことができるのだ。

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