Incentive Design

物事をうまく進めるには「動機付け」が重要だ。誰だって、やりたくないことはしぶしぶだが、やりたいことは、やめろと言ってもやるもの。

レコード会社の経営問題も、著作権の問題、なんて言われているが、もし、ほんとうに「著作権の」問題なら、それは、まずもって著作者つまり作り手にとっての問題であるはず。まあ、その問題もあるが、レコード会社にとっての問題の本質は、技術の発展により、媒体の変化や、流通の変化、といった音楽ソフトの流通コストの劇的な減少が、それまでのビジネスモデルを支えられなくなったことだ。

本質的にコストが低下したのだから、それ自体、市場規模が縮小するのは当然だが、際限ないコピーとなると、それは、著作者にとっての問題である。

コピー不可をいくら追求しても、できてしまう以上、コピーのコスト>ライセンスのコスト、という状況を作っていかないと解決しないように思われる。それは、やや事情がことなるが、特許の前例がある。

前置きが長くなったが、ネット上のニュース記事などの権利を守っていこうと言うFair Syndication Consortiumという動きがある。オリジナルな記事は、あちらこちらのブログや同業のサイトに無断で転載されてしまう。これでは、生きていけないということだ。

とはいえ、転載自体を防ぐことはできない。じゃあ、転載の都度、お金をくださいといっても、タダで転載できてしまう以上、誰も、支払ってくれない。

取れないお金を取る工夫をするには、誰がお金を払ってくれそうか、誰が誰の言うことなら聞くか、を考えることだ。

今、世間にあまたあるブログは、もちろん、活発なオピニオンリーダーとして発信したり、真摯な自己表現であったり、豊かなネット空間に欠かせないものだが、一方で、オリジナリティがなく、転載やリンク+広告というブログサイトも少なくない。もちろん、あるジャンルのポータルとしての機能を担っているという側面も多少はあるだろうが、そうしたブログの存立条件は広告料で成り立つということだろう。

だから、彼らは、広告が取れるレベルにコンテンツの質を維持するインセンティブがある。度を超えた引用や転載、コピーに溢れるサイトに、広告が付かないネット社会を目指したい。

広告は、消費者の支持を得られるか、否か、すなわち、広告を打ったことで商品が売れるなら意味があるが、逆に売れなくなるなら広告を出さない。つまり、消費者が、好ましくないサイトに広告を出す企業の商品は買わない、というコンセンサスが生まれてくれば、先の理想ネット社会に近づいてくる。

ここで、もう一押しをしようというのが、Fair Syndication Consortium。

彼らの目論みは、広告主から、オリジナル記事の著作権料を徴収しようというもの。つまり、消費者から見れば、このサイトの広告主が記事の著作権料をしらうのだから、このサイトは、違法にはならないし、その広告主の商品を買う自分も悪いことに加担していることにはならない、と思えるわけだ。

フェアーな印象を与えたい広告主には、必要なお金をしらう準備があるし、サイト運営者もそうした広告主が付くのなら、より人気のあるコンテンツを集めてこようと考えるし、そして、オリジナルの記事の著作者にも著作権料が廻ってくるし、インセンティブ設計上としては、なかなかいい線行ってるんじゃないだろうか。

オリジナルの記事を特定するのは、YouTubeのコンテンツIDみたいなものがあればよい。実際、こうした動きが本格化するには料率の問題とかいろいろあるのだろうが、何といっても消費者の意識が高まるかどうか、これがポイントだろう。

参考サイト(TechCrunch日本語版)

広告ネットワークはコンテンツを盗まれた出版者に収入の一部を払うべきか? Fair Syndication Consortiumはそう考えている

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