少量多品種主義とプラットフォーム

製作委員会方式とコングロマリットの比較

芸術家:代打の切り札:一品もの:個人事業者

製作委員会方式:3割バッター:少量多品種:プラットフォーム型産業構造

コングロマリット:ホームラン王:大量単品:プラント型(専用設備)

 

きっかけは製作委員会方式とコングロマリットの比較だった。一社一社は限られた予算を持ち寄り、自社でやるよりも大きな作品を作ろうという製作委員会方式。たとえ失敗したとしても、一社あたりの損失は限定的だ。すなわち、リスク分散の工興行の仕組みである。一方のハリウッド型コングロマリットは、可能な限りの資本をつぎ込んで超大作を狙うハイリスク・ハイリターンを狙うやり方。

現に、日本のアニメはこの製作委員会方式つくられることが多いそうで、異なるメディア、異なる流通の企業が「座組」をして、自分の得意分野のノウハウを提供し、そこそこのヒットを狙う。ハリウッド映画のような、怒濤のような広告宣伝を行うのはスタジオジブリぐらいか。作品の中には、予想外にヒットして、いわゆる「多峰性」の「峰」を築くこともあるが、コンテンツはミズモノゆえ事前には予想できない。

これを、野球のバッターに例えるなら、日本の製作委員会方式は「3割バッター」で、アメリカのコングロマリットは「ホームラン王」を狙うやり方と言えるのではないか。ちなみに、ハイアート、芸術作品の分野は、代打サヨナラ満塁ホームランを狙う「代打の切り札」と言えようか。

製作委員会方式では、集めたといってもその予算規模はコングロマリットほどではないから、万人が支持する超大作を目指すことはしない、最初から、ターゲットを絞る、というと聞こえがよいが、実のところ、万人受けはしないだろうが少なくても自分たちがおもしろいと思うものを作ろう、せめて収益がトントンならいいじゃないか、というノリで作るのではないだろうか(先行研究or要取材)。

こういう人(組織)たちから成る産業は、少量多品種主義の産業ということになる。人々の関心事が分散化しつつあるという現代のコンテンツ消費者の嗜好傾向に適合している。筆者が幼少のころは、「巨人、大鵬、卵焼き」。いわゆる高度成長時代と呼ばれる1960年代は、おそらく日常の選択肢も多くなかったのだろうが、嗜好傾向は揃っていた。

これは、なんとなくそう思っているが、相当いい加減な仮説で、ちゃんとデータで論証したい。たとえば、HHI(Herfindahl-Hirschman index)のような数字を産業レベルや商品レベル、商品のジャンルのレベル、などで捕まえられるとおもしろいだろう。

大量単品主義の産業構造に相応しいのは、フォード生産方式に代表されるような、ある商品に特化した「製造ライン」を作ること。原材料の「生産プラント設備」なども同じ発想である。これの目指すところは、品質向上と生産性向上だ。

その対極にあるのが一品主義で、宝飾品や工芸品など、生産性やコストは二の次で、「他にないもの」を目指す「工房」だ。

少量多品種主義は、その中間で、大量単品に較べて、やや付加価値が高くて、価格も少し高い、周りと同じ=大量単品、になってしまうので、一つ当たりの生産量はそう多くしては行けない、それでいて、べらぼうに高いコストでは誰も手を出さない。こうした産業にこそ必要なのが、プラットフォーム機能だ。

プラットフォームの役割は、基本的な機能の具備はプラットフォーム上で、大量単品ものと同程度のコストで生産でき、さらに、独自の味付けを少々の追加コストで実現できるようにする、そうした役割なのである。

たとえばテレビゲーム(ビデオゲーム)、ひとつひとつ専用のハードを作っていたら子供たちには手が出せないくらい高価なものになる。たとえば、宅配便。段ボールに詰めて送れるものならたいていのものは配送できる。でも、引っ越しやピアノのよう精密なものはそれぞれ専用の業者が運ぶ。

これも、仮説だが、どうも日本の文化制度に規定されるのか、国民の嗜好性なのか、「一手間かけたもの」が好きなのではないだろうか? そして、とことん儲けなきゃいけない、という強迫観念が比較的ゆるい、ぼちぼち食っていければそんなに無理することもないか、といった緩さが文化的価値観として浸透しているのではないだろうか。

この続きは別稿で。

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